ジュニオケ練習で、指揮のマルタ先生が曲練習の時ちょいちょい言うことがあるのですが、
「この場面は街の喧騒を表してる所に切り替わるから、今ぐらいガチャガチャしていて大丈夫。酔っぱらいなんかもいて、賑やかで騒がしいシーンだ」
「ここは、王様が国民の前を練り歩くイメージだから、荘厳で高貴な音が出せるようにしたい」
というような。これはワーグナーのマイスタージンガーの時に言ってたことかな。
クラシックって、ぽやんと聞いてると眠くなるだけの長い曲なんですけど、どういう場面の音楽なのか、どういうシーンに切り替わるのかを知ってから聞くと想像できて楽しいですね。
マルタ先生は指導中でもウンチクを話すのが結構お好き。クラシック音楽にとにかく詳しくて、ユキはいつも聞いてるのか聞いてないのかボンヤリと上の空な表情ですが、ハルはマルタ先生のお話が好きなようです。
一昨日は、亡くなった小澤征爾さんという巨匠のお話をしてくれていました。私は全く知らなかったので、そんなに凄い方だったんだなぁと興味深く聞いていました。
曲練中の、音楽が表してるシーンのお話は特に面白いです。
ベートーヴェン8番の時は、
「この曲は夏真っ盛りなんだ。もっと明るくいこう。リズミカルな馬の蹄の音、町を歩く人の笑い声、そういうシーンだ」
「この曲を書いていた時、ベートーヴェンは恋をしていたそうだ。悲しい恋ではなく、楽しい恋ね。皆はまだ分かる人と分からない人がいるだろうね。想像でいいよ、恋をして一番楽しい時期に、ウキウキしながらこの曲を作っていたんだと思いながら吹いて」
という感じ。
それまではボンヤリ聞いてましたが、そういう話を聞くと、(へ〜、恋に浮かれてる時書いていたのか…言われてみればそんな感じ…)と思いながら聞けて面白いです。
私はクラシック音楽は好きでも嫌いでもなく、子供がジュニオケに入るまでは興味も一切無かったのですが、作曲家の時代背景のお話を聞いていると実に面白いです。クラシックも好きになれる…かもしれません。はぁ、せっかく私も吹奏楽部に入っていたのだから、その時代に興味を持っておけば良かった。そんな話をしてくれる先生はいなかったし、あまりクラシックをやった記憶もありませんが…。
そういえば、ピアノ教室でも、先生がハルによく曲の時代背景のお話をされている気がします。
「この曲が作られた時代は、まだピアノの性能が今ほど良く無かったんだ。だから楽譜のこの部分が云々…」
ハルは、そういうお話が大好きなよう。たまに図書室でも作曲家の本を借りてきているし、「学校の授業でもそういうのを教えてくれたらいいのに!」と言ってます。
そういうの、確かアナリーゼ…とか言うんだっけ…。確かにハマれば楽しいかも。追求したら沼に落ちそうですね。