「オーケストラってこんな体育会系なの?」
とは、卒団式を一緒に見学していた夫の言葉(若干引き気味)。
私は吹奏楽部しか知りませんけれど、確かに結構…体育会系…とまではいかないかもですが、室内に籠もる汗の匂いとゼーハーな息遣いと青春の記憶が色濃い。
体力も使いますし、なんか腹筋運動とかさせられたし、強豪校とは比べ物になりませんが指導もそれなりに厳しく、怒鳴られたり泣きながら練習したりもありました。先輩も怖い人いたし。(でも楽しい記憶の方が多いです)
ジュニアオーケストラの指導は、先生にもよりますが、怒鳴ったりは無い…と思います。
先輩たちも皆優しいです。
音楽監督は、小学生のチビッコにはそこまで厳しく言っていないような。中学生以上の大きいお兄さんお姉さんには割と強く指導していたように見えましたが…
我が子が全体練習に合流するまでは、まだ全貌は分からないんだろうな。
卒団式の様子からは確かに絆や青春は感じましたけど、引くような感じじゃありませんよ。
全く、夫は軟弱な。
帰宅部だったから免疫が無いせいかもしれません。
新人の21期生は、定期演奏会後にも人数が増え、15人になりました。
弦楽器が10人、管楽器が5人の計15人です。
男子はハルを入れて2人。
ハルがやたら歓迎されたのも分かります。
オーケストラ全体でも、男子より女子の方がずっと多く、管楽器よりも弦楽器のほうが多いです。
弦楽器、特にバイオリンはオーケストラの花形なので、やっぱり人数が多いんですね。
弦楽器と管楽器では練習場所が違い、更に21期生たちはまだ個人レッスンみたいな感じで、先輩方とは違う場所で基礎を教わっている状態です。
定期演奏会の直前の練習日では、トロンボーンの子がジュニオケ代表のアユさんから(この前はバイオリンの指導もしていたので、代表は楽器をオールマイティーに弾けると思われる)、ハルとユキは木管楽器のハナ先生から、同室で指導して頂きました。
この日、ユキの服装を失敗してしまい…
ユキはチュール系のお洋服が実に多いので、何も考えずにチュールワンピースを着てきてしまったのですが、ハナ先生より注意されました。
オーボエのキーがチュールに引っ掛かるかもしれないので、チュールのお洋服は厳禁なんだそう。
ちょっと考えれば分かること…
気づかなかった親が悪かったです。
(ユキの服…マジでチュールばっかりだから今後は考えなくては)
この日は、ワンピースのスカート部分をレギパンの中に仕舞い込むことで対応。
ユキ、恥ずかしかったかな…
申し訳ないことをしてしまいました。
この日は、ハルが息を入れてすぐ安定した音を出せるようにしたいと、先生と何度も何度もロングトーン練習をしていました。
なかなか運指通りの音が一発で出せなかったのです。
何回か吹いて口の形を直してやっと良い音が出る、みたいな感じだったので、それを一発で出るようにさせたいと。
8秒吹いて4秒休み、をひたすら繰り返し、もう苦しくて顔が真っ赤で、音を外してしまうと厳しく言われ、本当に悔しそうでした。というか、多分うっすら涙が滲んでいたと思います。
母親も妹もいるから泣くに泣けなかったかも。
ユキのほうが、ロングトーンは本当に安定していて上手なのです。
オーボエのほうが、息を入れる量が少なく済むらしくて。
クラリネットは息の量をたくさん使うので疲れるらしいです。
途中休憩を挟んだ時、ハルはグッタリしていました。始めてしばらくは思うように吹けなくて辛い時期。誰でも通る道とはいえ、目の前で見ているとこちらも胸が痛くなります。
代表のアユさんが、時々チラチラとこちらを見ているなと思っていたら、練習後にハルに話しかけていました。
「ハル、大丈夫?心配で様子を伺ってたんだけど…まるで千本ノックのようだったね。口が痛いんじゃない?」
「喉が痛い……」
「そっか…」
私にもそっと話しかけてきました。
「ハル大丈夫かな?ハナ先生とマンツーレッスンは辛いかな?」
ハナ先生の指導が辛いというよりは、自分の不甲斐なさが辛いのでしょう。
物言いがそこまでキツい先生ではありませんし。
負けず嫌いでプライドが高いので、妹より出来ると思っていた楽器が思ったより出来ていないのもさぞ悔しいはず。
ピアノで、ハルはユキの遥か先を行っている自信があったでしょうから。
その旨をお話して、ついでに心配事の一つ、「負けず嫌いなので、先生に言い返したりすることがあるかもしれません…」と漏らしましたら、
「言い返したり反抗してもいいと思うよ!」
「悔し泣きもするかと思いますが…」
「泣いてもいいよ!皆泣くから!大きいお兄ちゃんたちも悔し泣きすることあるよ!」
アユさんに言われると安心感があります。
土曜日午前中の3時間半、クタクタに疲れたハルとユキ。
帰ってから、ユキはご褒美にカフェタイム、ハルは大好きなパソコンタイムを好きなだけ送ったのでした。